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今からでも入社したい!『リクルートのすごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド』

変化のスピードが上がり、競争が激化している世の中。会社は生き残りをかけて新規事業やイノベーションを起こそうと躍起だがうまくいかない。天才やカリスマにしかできないとも思われがちだ。

そんな中、普通の社員の必ずしも名案ではない案を磨き、育て、事業化し、世の中に価値を提供している会社がある。リクルートだ。上場から約3年で株価は3倍だ。

リクルートの主戦場はマッチングビジネスだ。産業を俯瞰し、カスタマー、クライアントをより多く集め、より確実に動かし、より多くを結びつける仕組みを提供している。

本書はリクルートの、新規事業を創出し、成長させる「手法」と、それを仕組み化し成果を出し続ける為の「経営陣の役割」について実例を交えながら説明している新規事業のバイブルだ。

まず手法だが、3つのステージ、9つのメソッド分かれている。

最初のステージは「世の中の“不”をアイデアに変える」ステージだ。ここでは、あるべき姿を物差しに、世の中の見過ごしがちだが誰も目をつけていない不便、不満、不安を見つけ出す。世の中のアンマッチを可視化→在庫化し、プラットフォームを提供し結びつける。事業化するかどうかの判断で重要なのが、世の中が本当に解決を求めているのか?既存の産業構造を変えるほどの大きな可能性を秘めているのか?それをカスタマー、クライアントだけでなく、産業構造を含め俯瞰して見極めることだ。このステージで見つけた“不”は限定的な規模でテストされ、ブラッシュアップされていく。

次は「勝ち筋を見つけ」「単なるアイデアを事業に成長させる」ステージだ。まず継続的に収益を上げる仕組みを作る為、価値KPIを設定する。これはバリューチェーン全体でどの工程のどの指標を上げれば事業価値が上がるのかを見極めるステップだ。これを見極め、腹落ちさせ、徹底してフォローすることが重要だ。

最後は爆発的な拡大再生産を実現するためのステージだ。ここでは収益を伴いながら事業を拡大する為、前のステージで設定した価値KPIでPDCAを回す。また、成長軌道に乗った事業が持続的に発展できるよう、現場で“兆し”を吸い上げ、小さな革新を繰り返し、競合に対する優位性を保つことが求められる。

これらの手法を用い、成果を出し続ける為の経営陣の役割が「お前はどうしたい?」を繰り返すことで生まれる「担当者の圧倒的な当事者意識」の引き出し、若さを保つ為にノウハウの属人化を防ぐ「称賛とノウハウ共有をセットにした表彰システム」「事業成長のために必要なリソースの提供」だ。人を見極め、投資し、任せる、資本家による起業家への投資と一緒だ。

このようにリクルートでは、社会をより良くしたいという圧倒的な当事者意識を持った現場社員が解決すべき“不”を見つけ出し、標準化された手法で“神速”でPDCAを回し、価値KPIを見つけ出し、経営陣や横とも連携して社会の不を解消している。

本当に魅力的な会社だ。今からでも遅くなければこんな会社で鍛えられたい。